シンプルさの中に宿る設計の力
- misafuku2
- 11月3日
- 読了時間: 5分
― 設計の本質を追求する、ハードウェア―
はじめに
今回は、ロボットづくりの要となる開発を牽引するハードウェアリーダーの羽富さんに、仕事内容、設計へのこだわり、印象に残っているエピソードなどについてインタビューをしました。

MUSEでの役割と設計へのこだわり
- まず、現在MUSEでどのような業務を担当されているのか教えてください。
ハードウェアリーダーとして、メカ・エレキ・エンベデッド(組込み)の開発を統括しています。
「いかに早く、現場で本当に使えるものを形にできるか」を日々意識しています。
ハードウェアは「できて当たり前」とされる文化の中で、使う人にとって直感的に扱いやすいロボットをどう設計すればよいかを常に考え続けています。
- 業務を進める上で、大切にしていることは何でしょうか?
まず大切なのは、「ゴールをはっきりさせること」です。
目標があいまいなままでは、良い設計はできません。最初はうまくいかなくても構いませんが、その時点でのゴールを明確にし、フィードバックを重ねながら仕上げていきます。
しかしながら、ゴールが簡単に明確になるわけではありません。PoCや議論を繰り返しながら、お客様の要求に寄り添いつつ、自社のビジネスに合う形で都度整理していくことが重要です。
そして何より「相手の立場で考える」こと。お客様がどう使うか、自分ならどうしてほしいかを意識しながら、設計に反映しています。
- “シンプルさ”を重視した設計コンセプトに掲げていますが、その背景を教えてください。
機能を満たすだけの複雑な仕組みは、不具合も多く、コストも上がります。
経験を重ねるうちに、最終的にたどり着くのはいつも“シンプル”なんです。
ならば最初からシンプルを目指そう、と。
その方が生産性も保守性も上がるし、何より自分も楽になります(笑)。普段から他の製品を観察して、常に「なぜこれが良いのか」 を考えるようにしています。
工夫と開発への挑戦
- ハードウェアチームではいくつか特許を申請中と伺いました。チャレンジングだった点や印象に残っているエピソードを教えてください。
現在複数の特許がありますが、どれもかなりチャレンジングでした。
「お掃除ロボットのサイズで100kgを運ぶ。」
最初にこのテーマを聞いたときは、正直驚きました。
CEOやCTOの要求はいつも想像の一歩先を行きます(笑)。
「どうやって車重10kgのロボットが100kgの台車を運ぶか」 - 軽トラックで4tのコンテナを牽引するようなものです。スリップしてしまうのは目に見えていました。
そこで思いついたのが、
「積載物の重さをロボットに背負わせ、タイヤの接地力を確保する」という発想です。
もちろんモーターのトルクに頼る面もありますが、積載物の重さがロボットに伝わる特殊な構造にしたところ、100kg積載でも安定して走行でき、本当に手応えを感じました。
これこそ“シンプル設計”の真骨頂です。
- なるほど、そこから今の構造が生まれたのですね。
はい。見た目の構造とバランスにはとても苦労しました。2件目の特許は牽引用ユニットです。
お客様の台車をそのまま使えるようにするため、どんな台車にも汎用的に連結できる構造を開発しました。
ワンアクションで連結でき、片手で簡単に切り離せる。10種類以上の台車に対応可能です。「これいいね!直感的!」とお客様に喜ばれたときは、開発者として大きな手応えを感じました。
MUSEの強みと求める仲間
- お客様からの要望にスピーディに対応されている印象があります。意識していることは?
まずお客様のニーズを徹底的に掘り下げ、「何をしたいのか」を見極めることです。
できること・できないことをはっきりお伝えしながら、できる方法を一緒に探します。
不具合が発生した際は、まずお客様の運用を止めないことを最優先に考え、最も効果的な対応策を即座に実行します。
MUSEでは、課題があれば自然とメンバーが集まり、すぐ動くんです。
このスピード感と一体感こそが、MUSEの強みですね。
- MUSEで働く魅力はどんなところにありますか?
お客様の期待に応えるために、自分の技術を直接ぶつけられる環境があることです。開発したものをすぐに試し、すぐにフィードバックを得られる。大企業ではなかなか得られないスピード感の中で、スリルと達成感を味わいながら取り組める環境です。
メカチームの仲間もそれぞれが専門性を持ち、課題があれば自然と集まって議論し、すぐに行動に移します。その一体感こそが、MUSEらしさだと思います。
- どんな方と一緒に働きたいですか?
無理難題を前にしても前向きに楽しめる人ですね。
難題が出るとワクワクしてしまう。そんな“ちょっと変態気質”(笑)な人ほど、この環境をきっと楽しめると思います。
これからの展望
- 最後に、今後のMUSEハードウェア設計をどんなチームにしていきたいですか?
個人的な考えですが、直近のテーマはメカ設計のDX化です。
エレキやソフトウェアの分野では、すでにAIが幅広く活用され始めていますが、メカ設計の領域では、AIが自動的に“ユニークな形状”や“創造的な構造”を生み出す段階まではまだ至っていないと感じています。
私たちMUSEのメカチームは、まさにこの分野で新しい道を切り開いていきたいと考えています。
AIを単なる効率化のツールではなく、発想を広げるパートナーとしてどう活用するか。
エンジニア自身の創造力とAIの分析力をどう融合させ、メカ設計に新しい価値を生み出していくか。その挑戦を続けていきたいと思います。
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