小売の現場に寄り添いながら、ハードウェアの現実解を追求するエンジニアの視点とは。
- 5月6日
- 読了時間: 6分
更新日:5月6日
小売店向けのマルチユースロボットを開発するMUSEでは、ソフトウェア、ハードウェア、AIなどを基本的に内製化しており、お客様の声をスピーディーに活かせるのが特徴です。
今回はそんなMUSEのハードウェア部門リーダーの形見さんに、これまでのキャリアや現在の取り組み、ハードウェアスタートアップならではのリアルについて話を伺いました。
– まずは簡単に経歴を教えてください。
大学の機械系の学科を卒業後、技術系アウトソーシング会社のメカエンジニアとしてデジタルカメラのメカ設計を10年ほど経験。その後、プリンターメーカーでシーケンス設計に3年ほど携わった後、ロボット系のスタートアップで3年ほど配送ロボットのメカ設計に携わっていました。
なので、ハードウェアスタートアップで働くのは2社目になります。
– MUSEではどのような業務を担当されているのでしょうか?
MUSEのメインのロボットであるArmo や、そのArmoと接続して様々な役割を担える各種ユニットのメカ設計全般を担当しています。
また、稼働先で不具合があった機体の修理サポートなども行っています。
– ハードウェアスタートアップの会社はソフトウェアと比べて少ないと思いますが、何か違いを感じるところはありますか?
ソフトウェアスタートアップで働いたことが無いのであくまでイメージにはなってしまいますが、私が考える違いとしては製品のリリースまで自社で完結出来るか出来ないかという点が大きいかなと思っています。
ソフトウェア(特にスタートアップ)では設計からリリースまで自社で完結することが可能だと思いますが、ハードウェアでは必然的にモノを作るという工程(部品加工、組立製造等)がありますので、ある程度数量を作ろうとすると製品のリリースまでにどうしても外部の協力会社が必須になってきます。
この加工や製造を担ってくれる協力会社をうまく見つけ、円滑に工程を進められるかどうかというのは、ハードウェアスタートアップを成功させる上で一つのポイントになってくると思います。
あと、世間一般的にスタートアップは若い人が多いイメージがあるかと思いますが、ソフトウェアと異なりハードウェアは設計知識を独学で習得するのはハードルが高く、メーカーで量産品の設計を経験してきた人のほうがものづくりを円滑に進め、品質を高めるうえで即戦力になることが多いためMUSEでは経験者の採用を積極的に進めています、。
そのせいか全体的には年齢が若めの人が多いですが、ハードウェアチームは結構年齢高めです(笑)
– 一般的なメーカーとは何か違いはありますか?
これはスタートアップに限らず小規模な企業ではどこも同じかもしれませんが、関わる仕事の範囲が広いというのがあります。
ハードウェアでは設計から始まって、調達、製造、品質保証、保守と言ったフェーズがありますが、大企業のメーカーではそれぞれのフェーズで担う部署が異なっていることが一般的です。
しかし、スタートアップでそれぞれに担当の人を配置するのは困難なので、一人で複数領域をカバーしなければなりません。
私に限って言うと現在は担当するプロダクトの全ての業務に関わっている状態で、全体が把握でき自身の裁量で進められる余地が非常に大きいということはこの仕事の醍醐味だと思っています。
あとはやはり設備面で大きな違いがありますね。
以前、シェアオフィスにいたころは、組立の作業スペースを確保するのにも苦労しました。専用のスペースが無いのでオフィスで組立作業をしていたら、他の入居者さんから音がうるさいと苦情が来たこともありました(泣(
工具類などの加工ツールなども満足に揃っていなかったので、オフィスから徒歩10分程度の所にある所謂ファブラボみたいな所に部品を運んで行ってそこで加工したりしていました。
試験機も高額なものが多く一通り揃えるのはスペース的にもコスト的にも困難なので、現状は評価試験などは外部機関の施設を借りて行っています。
昨秋に今の単独オフィスに移転してからは、作業スペースも確保出来るようになりましたし、工具や機材も少しずつ揃ってきて今では大抵のことは社内で出来るようになりました。
こういった点で製品の進化とともに会社の成長を感じることが出来るのも、色々必要なものが多いハードウェアならではの面白さかもしれません。

– ハードウェアスタートアップということで量産化というのは一つの目標になってくるかと思いますが、そちらについてはいかがでしょうか?
そうですね。特にハードウェアチームとしては、そこが一番の目標になってくると思います。ただ最初から完成系を一気に作ろうとすると途中からの軌道修正が難しいので、ソフトウェア同様アジャイル的に進めています。
現在はある程度のまとまったロットで生産を行っていますが、ロットごとに顧客のニーズや課題に対する改良を加えるなど製品をブラッシュアップしながら生産を行い、今後の量産に向けて準備を進めています。
一方でメカ設計としては試作当初から量産を見据えた設計を行っており、金型を使用した形状にも小規模な変更で対応できるような設計を心がけています。
またMUSEでは米国をはじめとしてグローバル展開を目指しており、製品化においては産業規格(JISやISOなど)及び各国の規制や認証への対応も必要になってきます。
大企業のメーカーでは産業規格に準拠した社内規格が整備されていることが多く、特段規格を意識しなくても社内規格を満たせば自動的に産業規格を満足出来るようになっている事が多いかと思いますが、スタートアップでは改めてどのような産業規格が自社の製品に適用されるのかを調べる所からスタートする必要があります。
特に弊社のようなサービスロボットは比較的新しい分野で、技術的にも様々な分野にまたがっているため適用規格を調べるだけでも一苦労という感じです(汗)
一般的に言われているハードウェアスタートアップの量産化の壁というと製造面に目が行きがちですが、こういった産業規格への対応も丁寧につぶしこむ必要があります。
量産化はあくまで我々が目指すビジョンの一つの通過点になりますが、当たり前のようにロボットを目にすることができる未来を目指して、一つ一つ課題をクリアしていきたいと思います。
MUSEでは仲間を募集中です!
MUSEでは現在、エンジニア職/ビジネス職/コーポレート職を中心に、さまざまなポジションで仲間を絶賛採用中です。
私たちのビジョンに共感し、「ゼロから未来をつくる挑戦」に興味を持ってくださった方、ぜひお気軽にご応募ください。
カジュアル面談やオフィス見学も大歓迎です!
採用情報・エントリーはこちらから:
皆さんとお話しできることを、チーム一同楽しみにしています!


